良いことか悪いことか、幸か不幸か、豊かか貧しいか。
それを決めるのは心である。
エドムンド・スペンサー
ダウンシフトでシンプルライフ
自分のペースでじっくりと地に足が着いた生き方を選択する人たち。日本でも徐々にこうした生き方を選択するダウンシフターが増えています。
たとえば、都心でのビジネスライフから一転し、地方や帰省先で自分でやれる(やりたい)仕事を創出し、自分のペースでゆとりワーク。収入は下がっても、支出も減らし、シンプルライフで人生のあり方を「心」で楽しむ人たち。地方だけでなく、ダウンシフターは都心でも。
ハードワークだけど高給という勤め先から、収入は下がるがソフトワークへ転職する人たち。残業代で稼ぐより、残業代をあてにせず、ライフスタイルでうまくバランスをとりながら、プライベートをより充実させる人生の楽しみ方。
とくに、若者たちに見られる傾向です。
お金がかかるクルマは所有しない。ファッションにはこだわるが、高いものを買うわけでなく、安いものを自分流に上手く活用する。でも、高くても長く使えそうな良質なものは買う。そして、必要がなくなったら無駄に所有せず、リサイクル、フリマへ。
「必要以上にモノを持たないライフスタイルがカッコいい!」かつての昭和のイケイケ時代とは真逆です。
高級車を所有することがステータス。ソアラやプレリュードのようなハイソ(ハイ・ソサイエティ)・カーに乗ってる人は勝ち組。ローンをしてでも、高級DCブランドの服、時計、アクセサリーを身につける。
こうした身の丈を超えた消費が、日本経済の発展を下支えしてきたわけですが、振り返ってみると、国民がうまく踊らされていたように感じます。今となっては・・・
いつか使うかもは、きっと使わない。必要のないものは持たない。
不確実で不透明感が漂うVUCA時代にあっては、自分の意図するように収入を増やし続けることができるかどうか、なんとも期待し得ない感があります。
であれば、収入を増やすこと以上に、支出を減らす。所有は、自分にとって必要な範囲に調整する。
こうした、先の若者たちのような「シンプルに生きる」生き方の方が、本当の豊かさを感じることができるかもしれませんね。
よく言われるところの「ミニマリスト」のように。
ミニマリスト
持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人。 自分にとって本当に必要な物だけを持つことでかえって豊かに生きられるという考え方で、大量生産・大量消費の現代社会において、新しく生まれたライフスタイルである。「 最小限の」という意味のミニマル(minimal)から派生した造語。
ブリタニカ国際大百科事典(コトバンク)
究極は、スーツケースひとつ持って、人生を旅する旅行者のような、そんな生き方でしょうか。
持ち物を必要最低限にするシンプルライフに心と体が慣れておくということは、たとえば、有事(自然災害など)が発生した際、心と体の適応力を高めておくことにも役立ちそうです。
日本においては、とても大事な「生き抜くチカラ」なのかもしれません。