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今の時代だから「CRASS(クラス)」かも? 〜 アナーコパンクバンドは永久不滅⁈ 〜

こんにちは!
HIMA-JIN WALKER です

イギリスのパンクロックバンド「CRASS(クラス)」ってご存知ですか?

パンク黎明期あたりの1977年に結成され、パンクムーブメントの中でも特にメッセージ性の強い、ある意味の本物パンクバンドです。

CRASS は、音楽を中心とした芸術的活動を通して、政治的思想、ライフスタイル、抵抗運動としてのアナキズムを実践し、アナーコパンクムーブメントを一般化した先駆者です。

その内容は、政治的メッセージだけでなく、自然問題、環境問題、フェミニズムや人権の問題など、今もなお続く世界人類の共通課題に対し、早くから激烈なメッセージを持っていたことから、影響力のある存在なのです。

lofi-chill.hateblo.jp

彼らは、自己のレコードレーベルを立ち上げ、自主制作のレコードやシングルをリリースしたり、また、ライブイベント以外にも、政治的なデモや抗議行動などにも参加するなど、音楽以外の特異な活動内容でも話題のバンドでした。

CRASSは、現在も多くのパンクロックファンに熱狂的な支持を受けており、彼らのアルバムやシングルは、パンクロックの歴史を知る上で重要な作品とされています。そう、いわゆる、知る人ぞ知る的なパンクバンドです。

アナーコパンクとは?

アナーコパンクは、1980年代に発生したパンクロックのサブジャンルです。無政府主義パンクと言われるこのジャンルは、社会的な問題や政治的なメッセージを強く打ち出すことを基本としています。

アナーコパンクは、パンクロックのポリシーである「Do It Yourself(DIY):自分たちでやること」を踏襲しながら、常にインパクトあるメッセージを強く打ち出していました。また、このジャンルは、社会的な不正や不平等に対して批判的なメッセージを伝えることも目的としていました。

代表的なアナーコパンクバンドには、CRASS以外にも、Conflict や Chumbawamba などがあります。このジャンルは、パンクロックの歴史上で重要な役割を果たし、現在でも多くのミュージシャンに影響を与え続けています。例えば、ポストパンク、エモ、グランジ、ハードコアパンクなどのジャンルに多くのアナーコパンクの要素が受け継がれたりと。また、現代においても多くのミュージシャンがアナーコパンクのポリシーやメッセージを受け継いでいます。海外では特に。

たとえば、Propagandhi、Rise Against、Anti-Flag、Pennywise などが挙げられます。彼らはアナーコパンクのメッセージやポリシーを踏襲しながら、自分自身の音楽スタイルを築いています。

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パンクの雄 Sex Pistols との違い

イギリス発のパンクといえば Sex Pistols が今もなお断トツの認知度とカリスマ性を誇ります。その Sex Pistols と CRASS は、両者とも70年代イギリスのパンク・ムーブメントにおいて重要な役割を果たしたバンドなのですが、いくつかの違いがあります。

▶︎ 政治的なメッセージ:Sex Pistolsは、主に音楽的なスタイルやファッションを重視し、政治的なメッセージを取り入れた音楽を作っていました。一方、CRASSは、明確な政治的メッセージを追求し、政治的な活動を通じて社会変革を目指しました。

▶︎ 音楽スタイル:Sex Pistolsは、スリーコードの単調で粗暴なロックをベースに、これがパンクだ!というスタイルを確立した、ストレートな音楽を作りました。一方、CRASSは、ロックに固執することなく、多様な音楽ジャンルを採用し、ポストパンクやフォークなどを含めた多様で時に実験的試行や難解なスタイルの音楽も作りました。

▶︎ 活動方針:Sex Pistolsは、音楽業界を批判することを重視し、政治的な活動に極端なまでの関心がなかったとされています。とは言え、その活動のシナリオは大人のビジネスが根底にあり、メンバー独自の主体性とポリシーは感じられませんでした。結果、バンドとしての限界点は早く、短命でした。一方、CRASSは、音楽業界への批判とともに、広く社会的な問題に対する政治的な活動も重視し、確固たるポリシーで、メンバー間での思想の違いを生じながらも比較的長く活動を続けてきました。

といった違いがあります。違いはあれど、両者ともパンク・ムーブメントにおいて重要な役割を果たし、今なお多くのファンに愛されています。

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CRASS の活動

CRASSの活動は多岐にわたります。

▶︎ 音楽活動:CRASSは、パンクロックのポリシーである「Do It Yourself(DIY)」を踏襲しながら、政治的なメッセージを強く打ち出すことを目的としていました。彼らの作品は、社会的な不正や不平等に対して批判的なメッセージを伝えることも目的としていました。代表的な曲としては、「How Does It Feel to Be the Mother of a Thousand Dead?」や「Reality Asylum」、「Do They Owe Us a Living?」などがあります。これらの曲は、政治的な不正や社会的な問題に対する批判や、平和や正義を訴えたメッセージを強く反映しています。

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▶︎ アートワーク:CRASSは、音楽以外にも、グラフィックアートやポスターアート、映像作品などを制作するなど芸術集団としての活動も続けていました。これらの作品は、彼らの政治的なメッセージをより鮮明に伝えることを目的としていました。パンクにおける「DIY精神(自分たちでやること)」はここにも活かされています。
シンプルでインパクトある CRASSのシンボル・ロゴマークは今でもパンクの象徴として目にします。

▶︎ 政治的活動:CRASSは、アートパンク、アバンギャルドパンクとも言われ、音楽やアートワークを通じて、社会的な問題や政治的な問題に対して抗議することを目的としていました。彼らは、核兵器禁止運動や、労働者権利運動などにも参加していました。彼らの表現方法は、音楽の枠を超えていました。

▶︎ 環境活動:特に、環境問題に対して強い関心を持ち、政治的なメッセージを含んだ曲をリリースすることで環境保護を訴えました。彼らは、資源枯渇、汚染、核兵器などの懸念に対して、社会的な責任を持って行動することを主張しました。彼らの活動は、環境保護のための政治的なメッセージを広めることに寄与しました。

▶︎ダイアルハウス設立:ダイアルハウスとは、CRASSが運営するコミュニケーションセンターであり、政治的なメッセージ、アート、文化的なイベントなどが行われました。ここは、CRASSのフロントマン、ペニー・リムスタイン氏の住む家になっており、彼らの政治的な活動と音楽活動が一体となって行われました。ダイアルハウスは、CRASSが目指す社会変革の構想を実現するための試みの一つであり、彼らの政治的なメッセージを伝えることに大きな役割を果たしました。

▶︎ インディペンデント・レコード・レーベル:CRASSは、自分たちの活動を目的とするレコード・レーベルを設立しました。このレコード・レーベルは、アナーコパンクバンドが自分たちの活動を行う上での自由を確保することを目的としていました。また、ここを経由し作品を発表したバンドもいくつかあります。

Best Before 1984 -Digi-

Best Before 1984 -Digi-

  • アーティスト:Crass
  • Crass
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CRASSのメンバー

CRASSのメンバーです。それぞれが得意とする分野で能力を発揮していました。多様性を活かした組織としての活動が特徴的です。  スティーブ・イグノラント
イヴ・リバティーン
ジョイ・デ・ヴィーヴィル
N. A. パーマ
フィル・フリー
ピート・ライト
ペニー・ランボー
ジー・バウチャー
ミック・ダフィールド

ダイヤルハウスの創設者であるペニー・ランボースティーブ・イグノラントがジャムセッションをした時から CRASS というバンドが始まりました。

そのイグノラントは労働者階級のであり、労働者階級の若者に絶大なる支持を受けていたパンクバンド、ザ・クラッシの公演を見てバンドを結成したいと思ったというコメントで、改めてクラッシュの影響力の凄さを実感できました。また、そのクラッシュをビジネス・パンクだと罵るところは滑稽にも(苦笑)

また、CRASS になる以前には、デヴィッド・ボウイの名盤「ジギースターダスト」のなかの曲にちなんで、自身たちのことを「Stormtrooper」とよんでいたというのも実に面白い話です。

ジギー・スターダスト<2012リマスター>

ジギー・スターダスト<2012リマスター>

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CRASSの目指した社会

CRASSは、社会的な問題に対する強いメッセージを発信することを目的としていました。彼らは政治的な活動家としても知られており、特に、市民権、女性の権利、核戦争、環境保護などに関する問題に対して強い反対意見を表明していました。

彼らは音楽を通じて社会変革を起こすことを目標に掲げており、当時のイギリス社会に対する風刺的で政治的なメッセージを伝えることを通じて、多くの人々を動かすことを目指していました。これは、争い絶えない混沌とした今の世界にも共通しそうです。

70-80年代の当時、その存在と音楽には触れても、その実態がよく見えなかったのですが、後に公開されたCRASSのドキュメンタリービデオで検証できました。ヒッピー・ライクな彼らのパンクスタイルというものを。

CRASS:ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ

CRASS:ゼア・イズ・ノー・オーソリティ・バット・ユアセルフ [DVD]

[内容解説]・1977年に誕生した伝説のアナーコ・パンクバンド「CRASS」の貴重な当時の 映像を収録
・DVD限定未発表P.Vを特典映像として収録
70年代後半に登場し、たった8年間で活動停止したにも関わらず、各方面に強烈な足跡を残し、今なお世界中に熱狂的支持者を持つアナーコ(無政府主義)・パンク・バンド“CRASS"。商業主義に反発し、平和主義のもとに強力なメッセージを発信し続け、パンクの基本であるDIY精神を貫いた彼らの、バンド結成から終焉、そして現在を映し出した唯一無二のドキュメンタリー作品。

【CRASS(クラス・1977-1984)】70年代後半から80年代にかけて活動したイギリスのアナーコ・パンク・バンド。サッチャー政権下で“アナーキー&ピース"の理念に基づき、「誰にも支配されず独立した一人一人の行動が平和につながる」という平和主義を基本に活動。反戦、反核、反キリスト教、反物質主義、反動物虐待、反性差別、反環境破壊などについての強力なメッセージを発信した。同時期に活動していたSEX PISTOLSやCLASHなど、商業主義に絡め取られた初期パンク・バンドを反面教師とし、レコーディングやレーベル運営などすべて自分たち自身で行なうという、パンクの基本のDIYアティテュードを突き詰めた。その人気と影響力の強さにより、左翼と右翼の双方から仲間になって欲しいと求められたが、「左翼でも右翼でもなく、アナーキストである」と第3の立場を打ち出した。(引用:Amazon)


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